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自転車に乗って風を追う

初めての海外予行

七夕の日、20:30QANTAS航空で成田を発った。

夫婦とも初めての海外旅行。
目的地は、次女が2年のワーキングホリデイで過ごしたオーストラリアのアデレード。
アデレードまではとにかく二人だけで行かねばならないが、
英語が話せないにも関わらず、さほど大きな不安はなかった。

8日の昼ころ、アデレード空港で2年ぶりに次女の生の顔をみてほっとする。
この日はカンガルー島のコテージで宿泊。

9日はツアーのバスで島の中を観光。
まじかに野生のアシカをみたり、猛禽類の鳥を操るのを見学したり、
海際の崖の上に並ぶ奇岩をみたり、
アーチ状になった岩の周辺に生息するアシカの群れを見たりする。
それにしても東西150キロ、南北55キロの島は大きい。
雄大さに圧倒された。
この夜もコテージに泊まり翌朝のフェリーを待つ。

しかし、10日。風と波浪が強く昼ころになって終日欠航がきまり足止めを食った。
仕方なくコテージに戻る。
時間つぶしに備え付けのビリヤードで楽しむ。実はこれまた初めてのこと。

11日、風はあるものの前日ほどの波浪ではないようで、カーデッキに
自動車を満載して出港。やれやれである。

アデレードに戻るとバスターミナルには、娘が世話になり今宵もホームパーティを
開いてくれるというマイク氏が迎えにきてくれていた。
彼はアデレードの日豪友好協会の会長をしているという。
日本で高校教師も経験があるという親日家だ。

今宵の宿は娘が1年半をホストして働いていたB&Bの「土の宿」。
アデレードから南に30キロほど離れたHahndorfという小さな町にある。
軽井沢がモデルにしたようなところだ。
娘も初めて客室に泊まるという。
障害者である日本人オーナー(沖縄の伊江島在住)の木村浩子さんが
現地の退役軍人の大きな援助を得て開いたものだそうだ。

夕方、娘が世話になった別の若夫婦が車で迎えにきて
ホームパーティを開くマイク宅へ行く。

そこにはまた、娘と特に親しいB&Bで一緒に仕事をした一家がそろっていた。
ご主人方はすべてオージーだが、片言ながらも日本語が理解できるし
奥様方や娘が通訳をしてくれるので会話が弾む。

せがまれて娘が歌唱披露、すると今度は妻に謡曲をとせがまれる。
一曲披露が終えると皆さんがひどく感心。
謡曲師範の資格もあることを知るに及んではぜひ当地に住みませんかとの誘い。
妻もまんざらでない様子。
気がつくと12時を過ぎていた。

12日、早くも帰国へUターンに入る。
荷物は空港まで自動車で送ってくれるという好意に甘え、
3人でバスに乗りアデレードへ。
昼食を兼ねながら先日とは違う通りへと娘が案内してくれる。
ここにいる間に、プライベートであるいは宿の買い出しのためにと
何度もきているのでよく知っている。

空港に着くと3人の奥様方が待っていた。
さらにB&Bの現地マネジャーが車いすを操って娘に寄ってきた。
チェックイン、ゲートインを済ますと、いよいよ娘にとってつらい別れの時がきた。
3人の奥様方もマネジャーも涙を止めることができない。
その姿をみている私も涙ぐんでくる。

涙に目を濡らした娘ともどもシドニー行きの飛行機に搭乗する。
娘の座席は離れていたから伺い知れなかったが、さぞつらい思いで
眼下の景色を見ていたのだろう。
1年半もこころやさしい人たちと暮らした町なのだから。


13日、昨夜と今夜はシドニーのハイドパークに面しているマリオットホテル。
娘はバックパッカーばかり使っているのでホテルは初めてという。
場所も、設備も上等だ。

今日は列車を使ってカツムーンバ駅までいき、そこからツアーのバスを使ってブルーマウンテンを観光。
約2時間、列車はどんどんと高みを増していく。
途中の駅ではところどろで自転車をそのままにしてホームに立っている人たちを見かける。
ここでは自転車のままの乗車がOKなのだ。
うらやましい!
私も自転車に乗りたくなってきた。

カツムーンバも高原の町、清里に似た雰囲気だろうか。
ブルマウンテンとは、一帯に生い茂るユーカリの葉から蒸発する油性成分により
空気が青みがかってみえるところからきているそうで、世界遺産にもなっている。

目玉の観光ポイントはスリーシスターズという大きな3連の岩山。
オーストラリアの原住民アボジリニの伝説がある。
遠くに見える直立した岸壁は夕日に赤くなりなり始める。

雄大な景観はオーストラリアの国土の広さそのものを思わせる。

帰途はひとつシドニー寄りの駅ルーラからにした。
すでに陽はおち、さすがにホームにいると寒くなってきて冬のコートの
襟を立てずにはいられない。

14日、いよいよ最後の日。
午前中はハイドパーク中を抜けてシティーの中心部に出て土産物を買う。
アボリジニのデザインものがいい。

午後はフロントに荷物を預けてオペラハウスを見学する。
せっかくだからと日本語ガイドのツアーを頼む。
時間はわずか30分で、22ドル!
ちょっと高いかなと思える。
当然かもしれないが時期的に日本の夏休み前だし、日本人観光客は見当たらなかった。
説明を受けると、なぜあのような構造になっているのか納得。

夕泥むハーバー側から眺めるオペラハウスは絵葉書にあるものだった。
ハーバーの一隅ではアボジリニが伝統楽器のディジュリュの演奏パンフォーマンスが見られた。
ディジュリュはスイスのホルーンのように太く長い笛だが、蟻が巣くって空洞になった木を
使ったものだということを昨夜(7/19)のTV番組で知った。

チェックインの後、ゲートインの前で娘と別れる。
娘はあすの朝の便でケアンズで乗り換えて関空に向かう予定なのだ。

ともかくも、初めての海外旅行は印象強いものだった。
特に、娘が世話になった人たちと過ごした5時間ほどが。

アーストラリアは私とってぐっと身近なものになった。
by kiyohito-o | 2009-07-20 16:06 |
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